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玉子かけご飯のエッセイ

「美味しいたまごかけごはんの条件」
 人間にとって、食べることは文化である。業者の巧妙な口車に乗って、栄養価が高い
とかダイエット効果があるなどと、毎日無理矢理流し込んでいるサプリメントは、どう
もエサや薬に近いものだと分かってきた気がする。
 愛知万博より35年も前の大阪万博であこがれた宇宙食は、「宇宙=未来=簡単=エ
サ=まずい=我慢」の関係を作り出し、未来人の味覚は鈍くなっていくものだと洗脳さ
れてきた。2005年の夏ディスカバリーの中で、野口宇宙飛行士が食べた宇宙食は、
技術の粋を集めたラーメンだった。大宇宙時代になっても、人間の食文化は失われず、
加工の技術が飛躍的に進歩するということが理解できた。次の宇宙食は、たまごかけご
はんの出番である。一口サイズのご飯の固まりにからまった卵の宇宙食が、無重力でど
のように口に移動するのか想像するだけで、本当に楽しくなる。
 宇宙ではシャトルが飛んでいるが、地上では空前のペットブームである。犬や猫のエ
サは、人間の食文化を継承して、私の酒のつまみの缶詰めよりも、高価なものが並んで
いる。汁かけご飯やおかかご飯で育てられる犬や猫は皆無となり、ペットのストレスや
肥満対策が、世間の話題となっている。外で思いっきり遊んで、十分にお腹を空かせて
食事をすれば、それで良いと思うのだが、動かない飼い主には、そこまで知恵が回らな
いらしい。ペットもそうだが、子育てのほうが心配である。トレッキングやウォーキン
グを楽しむ人たちは、一生懸命動き回っている。食事も簡単に済まさず、美味しい食材
を手間をかけて調理している。これが健康の秘訣だと思う。簡単に食事を済まそうと考
えはじめると、食文化や健康は一気に崩れていくような気がする。
それでは、たまごかけごはんはどうであろうか。安くて、早くて、しかもそこそこ旨い
と、手抜き料理の代表のように思われている。
それはあくまで、そこそこ旨いたまごかけごはんに過ぎないのである。美味しいたまご
かけごはんに出会うには、食べる前の儀式が必要なのである。その儀式とは労働である

スポーツ生理学や栄養学の分野では、鶏卵の必須アノミ酸含有の割合は理想的で、スポ
ーツ選手にも卵の有効的摂取を学習させている。私たちも、アミノ酸飲料やプロテイン
パウダーに飛びつかなくても、たまごを日常生活の中で上手に食べることで、必須アミ
ノ酸の全てをカバーすることができ。これは、加齢による筋力低下に、栄養とトレーニ
ングでブレーキをかけることを可能にするのである。
たまごかけごはんに使用する卵を、どのように手に入れるのか考える必要がある。かつ
て美味しいたまごかけごはんを食べていた人たちは、自宅で鶏を飼い、食材を管理する
楽しみも味わっていた。飼っている鶏の運動や、生育環境も考えて、鶏から卵を分けて
もらっていたのである。広島県北部の我が家でも、数羽の鶏を飼っていた。日々の食事
の準備で出る野菜の残りが、鶏の餌となった。味噌汁の具アサリの殻でさえ、庭先で細
かく踏みつぶして、鶏のエサとなった。排泄物の鶏糞は、窒素や燐酸が多く含まれる有
機肥料として、畑の作物や花を、美味しくそして美しくした。
毎朝、卵はあるかと鳥小屋に行く楽しさは、当時の私にとって小さな冒険でもあった。
雌鳥に申し訳ないと思いながら、温かい卵を手にすると、動物としての自分の存在に気
がつく時間でもあった。無精卵ではあるが、命を分けてもらう瞬間を体験することでも
あった。
父方の実家では、もっとすごい命の争奪戦を体験することが出来た。当時の田舎の鶏は
、鶏舎はあるが家の周辺で放し飼いであった。しかも、雄鶏もおり縄張り内への侵入者
に対し、強烈な攻撃を仕掛けてきた。それを心得ている祖父母に対しては、雄鶏も警戒
心をゆるめるが、遊びに来ただけの小学生には手厳しい攻撃を仕掛けてきた。雌鳥より
もひとまわり大きな体を、さらに伸ばしてより大きく見せ、正面から向かってくるので
ある。逃げればさらに攻撃は激しくなった。縁側の高さなど問題とせず、感単に飛び上
がる。柿木でも屋根でも飛び上がる。鳥小屋から卵を奪うのは、雄鶏との闘いでもあっ
た。それだけに、野生の本能が刺激され、やっと手に入れた卵の味は、我が家のもの以
上に美味しかった。美味しいたまごかけごはんは、労働を伴う卵の入手方法でなければ
ならないと考えている。
米については、あまりこだわる必要はないと思う。美味しい米であれば、そのままで食
べても旨いのである。漬け物や塩だけでも十分に旨いのである。まずい米でも、旨い卵
一つで、十分に堪能できる食事に化けることを強調したい。それが卵の魔法である。
食べた後の茶わんに残ったたまごを、どうするかが最後の問題である。残った貴重な蛋
白質は、お茶を入れてきれいに掃除して飲み干すのである。禅寺の朝食の粥座でも同じ
ようにしている。苦労して手に入れた卵を、最後まで食べつくすことが重要なのである

                                         兵庫県 小田 さま


 素晴らしいエッセイですね
 玉子に対するこだわりがよく感じあられます
 しかし玉子を収穫するのも命がけですね
 放し飼いの鶏の卵というのは憧れます        早川でした

 
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